和洋食器の世界は、見た目の美しさだけでなく、その背後にある言葉や技法にも深い魅力があります。この記事では、知っているようで知らなかった和洋食器の専門用語をわかりやすく解説します。普段聞き慣れない専門用語を知ることで、器選びの幅が広がり、料理のプレゼンテーションにさらなる深みと洗練を加えることができます。
技法に関する用語
イッチン(いっちん)
泥状の土や釉薬をスポイトのような筒に入れて、絞り出して模様を描く技法です。「筒描き」とも呼ばれます。
写し(うつし)
有名な陶器や古い作品を手本にし、その精神性を感じ取りながら新たな作品を作る日本独特の技法です。単なる模倣ではなく、古典の美を現代に生かします。
上絵付け(うわえつけ)
釉薬の上に模様を描く技法です。これにより低温で焼成でき、豊かな色彩が出せます。赤絵や金襴手(きんらんで)、銀彩などに使われます。
切子(きりこ)
ガラスにカット加工を施す技法やその製品のことです。江戸切子や薩摩切子が有名で、ガラスの美しさを引き立てる彫刻が施されています。
金継ぎ(きんつぎ)
割れたり欠けたりした器を漆で修復し、表面を金で覆う技法です。金だけでなく銀や真鍮、銅なども使われます。
下絵付け(したえつけ)
釉薬の下に模様を描く技法です。染付や鉄絵の器に使われ、透明釉を掛けて焼成します。
スリップウェア(Slipware)
泥状にした粘土で表面を装飾し、焼成した焼物です。イギリスの17〜18世紀に作られたトフトウェアや日常使いの大皿などが有名です。日本の民藝運動とも深い関係があります。
鎬文(しのぎもん)
陶磁器の側面をヘラで削り、稜線のような縞模様を作る技法です。この技法はガラス器の装飾にも使われ、日本刀の刃と峰の間の稜線部分である「しのぎ」に由来しています。
焼成(しょうせい)
陶磁器の形と強度を確保するために高温で焼く工程です。
素焼き(700〜1000℃)、本焼き(1200〜1500℃)、上絵焼き(700〜800℃)など、工程や素材によって温度が変わります。
素焼き(すやき)
素焼きは、成形した土に強度と吸水性を与えるために、700〜800℃で焼成する技法です。その後の施釉や絵付けがしやすくなります。
染付(そめつけ)
白い素地に呉須で青い絵柄を描き、透明釉を掛けて焼成する技法です。中国では「青花」と呼ばれ、元代に発展し、朝鮮や日本、東南アジアやヨーロッパに影響を与えました。
焼締め(やきしめ)
焼締めは、釉薬を掛けずに高温で焼成する技法です。鉄分が多く耐火度の高い土を用いた焼物で、備前焼や越前焼などが代表例です。
窯変(ようへん)
焼成過程で釉薬や素地が予期せぬ変化を起こすことです。この変化は、釉薬の成分や窯の中での温度、炎の当たり方などが原因で生じます。窯変によって生まれる独特の美しさは、作品の見どころとなり、陶芸家にとっても予測できない楽しみの一つです。
構造に関する用語
糸底(いとぞこ)
茶碗や皿、鉢の底に付けた台座部分を指します。ろくろで成形した土を台から外す際に糸で切ることから、この名前が付けられました。
高台(こうだい)
茶碗や鉢、皿の底にある台座部分です。特に茶道では、高台の作りや土の質感、釉薬の景色を鑑賞し、器の価値を見極めるポイントとなります。
口縁(こうえん)
茶碗や鉢、皿の縁部分を指します。口辺(くちべり)や口造(くちづくり)とも呼ばれます。
エッジ(Edge)
皿や碗形の器の縁や、高台の立ち上がり部分の縁を指します。
リム(Rim)
円形のものの縁を指す英語の用語です。特に平皿の広めの縁部分を指し、「リム皿」として親しまれています。
ステム(Stem)
ワイングラスやシャンパングラスなどの細長い持ち手部分を指します。
見込み(みこみ)
茶碗や鉢の内側部分を指します。茶事では、見込みに現れる釉薬の景色や底の釉溜まりを鑑賞し、その器の美しさを味わいます。
目跡(めあと)
窯の中で器同士や窯板がくっつかないようにするための粘土の小さな塊の跡です。見込みや底に見られ、デザインの一部として楽しむこともあります。
呑水(とんすい)
鍋料理の取り分けや天つゆなどを入れる器で、縁の一部が突出し持ち手の用途を兼ねた形状です。レンゲの一種である湯匙(たんし)から進化した形とも言われています。
椀形(わんなり)
木製の椀の形を模した器形を指します。腰から胴、口縁までゆるやかなカーブを描く形状が特徴で、飯碗などによく用いられます。
技法と構造を知ることで広がる和洋食器の魅力
和洋食器の技法や構造に関する用語を理解することで、器選びや料理のプレゼンテーションが一層豊かになります。しかし、器の魅力はそれだけではありません。次の記事では、材料やその他の用語について詳しく解説します。これらの知識を身につけることで、器の奥深い世界をさらに楽しむことができるでしょう。
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