特別な器を愛し、日常を彩る器好きの人々に出会うと、そのこだわりと情熱に心が動かされます。この記事では、4人の器好きたちの選ぶ特別な器を通して、器がどのように日常の中で輝き、料理を引き立てるのかをご紹介します。器に込められた想いや、それを使う喜びが伝わり、あなたも自分だけの特別な器を見つけるヒントになるでしょう。
職人技が光る手仕事の陶器
〈アスティエ・ド・ヴィラット〉の手仕事の美しさ
学生時代から器集めに熱心だったある女性は、10年ほど前からフランスのライフスタイルブランド〈アスティエ・ド・ヴィラット〉の器をコレクションしているそうです。彼女は、ヨーロッパに出張に行くことが多く、そこで食器に対する文化を感じたと話します。みんな、お気に入りの器を一枚一枚丁寧に買い集め、それが食への楽しみや美しさを大事にする心持ちのようです。彼女も一度に揃えるのではなく、パリやロンドンに行くたびに少しずつ買い集め、10年かけてコレクションを充実させました。〈アスティエ・ド・ヴィラット〉の器は産業革命以前の手法を蘇らせ、一つ一つ手仕事で製作されています。歪みや釉薬のムラすらも美に昇華させたその器は、それほど頑丈ではなく、少しぶつけると欠けてしまうこともあります。そのはかなさや不揃いな形に惹かれるのだと彼女はいいます。
茶道具としての新しい〈アスティエ・ド・ヴィラット〉
この白い器にはふさわしいお菓子や料理を盛り付けたくなり、組み合わせを考えるのが楽しいそうです。また、彼女は〈アスティエ・ド・ヴィラット〉の器を茶道具としても愛用しており、抹茶碗や茶巾筒を使用しています。彼女は「見立てるのが得意で、他の道具もアンティーク品と組み合わせて楽しんでいる」と話します。さらに、見立てることでも大きく魅力が変わるため、彼女はさまざまなアンティークアイテムを使い、茶道具としての新たな可能性を見出しているとのことです。これらを茶箱に入れて、近所の公園で野点をするのが最近の楽しみだそうです。中国茶も同様に、オノエコウタの陶板と合わせたボウルを茶盤として使っており、アンティークとの相性の良さを実感しています。
カラフルな和食器で彩る暮らし
鮮やかな器たちの魅力
銀食器、陶器、磁器、ガラス、漆など、さまざまな素材の器を集めているある女性は、特にカラフルな和食器に魅了されています。黄色、トルコブルーの取り皿、市松模様や絵付けされた小鉢、朱塗りや黄土色、エメラルドグリーンの豆皿など、色とりどりの器が彼女のコレクションの一部です。子どもの頃から器が好きで、長年集めてきた彼女は、現在では何かを買ったら何かを手放すというスタイルを取っているそうです。「どんな素材や形も一通り触れてきたからこそ、今は本当に好きなものだけを厳選して使っています」と彼女は言います。また、「コロナ禍になる前は、よく友人をもてなしていました。折敷を用意して、小さな器で一品ずつ、割烹のような真似事をするのが好きでした」とも話しています。
色とりどりの和食器で彩る食卓
料理と器のコーディネート次第で、食事会のプレゼンテーションは大きく変わります。彼女は「清水焼の市松模様の小鉢には煎った銀杏を入れ、陶芸家・泥牛さんの緑色の小皿と組み合わせると、華やかさの中に落ち着きを持たせることができます。また、唐子の箸置きも個性的で、それぞれ強い色でも一つずつが小さいので品よくまとまります。陶芸家・川瀬竹春の器は、今の季節には柿と春菊の白和えや高く盛れるので向付にもいいですね」と話しています。彼女はまた、「光沢のある和食器が好きですが、カラフルなものばかりを使うわけではありません。煮物にはシンプルな土ものを合わせることが多いですし、何層にも重なった渋い光沢のある銀食器や漆塗りの鉢、一段重箱を使うこともあります」と言います。これを軸に銀の酒器と〈バカラ〉のお猪口を合わせると、さらに華やかな中に落ち着きを出せるそうです。
千年の古物を現代に生かす
古物への情熱と始まり
ある女性は高校生の頃から古いもので空間を飾りたいと考えていましたが、20代、30代は忙しく、その気持ちを抑えていました。「ようやく時間に余裕ができ、一気に堰が切れた感じです」と彼女は話します。古物の美しさに目覚めたのは、家族の影響が大きかったそうです。祖母が中国や韓国から買い付けてきた清や明の時代のもの、李朝の民画や拓本などに触れ、その魅力に引き込まれたといいます。家にはいろいろな国の古いものがたくさんあり、それがとても格好良いと感じたと彼女は話します。「私にとっておしゃれな住まいとは、その家なんです。家族自身も一人で世界のあちこちに出かける、とても果敢な人でした」と語る彼女の言葉には、家族への尊敬と憧れが感じられます。
古物と現代の調和
自分もそういった空間を手に入れたいと願い、彼女の理想の部屋が実現しました。李朝の滲み壺や高麗の古物、平安時代の猿投窯の壺、紀元前のローマンガラスのガラス瓶など、一つ一つのものを愛おしそうに説明する彼女の姿が印象的です。それらはガラス棚に展示品のようにきれいに収められていますが、すべて実用で、数百年経ったものでも飾るのではなく、日常の生活に生かしています。「壺は花入れにすることが多いのですが、皿などはいかに中国茶の道具に使えるかを考えていますね」と彼女は話します。約2年半前に中国茶にハマりだしたのも家族の影響で、台湾から持ち帰った烏龍茶を工夫式で淹れてくれたことがきっかけだそうです。「いつか自分もやりたいと思っていました」と語る彼女は、茶の風味を味わうだけでなく、茶道具に見立てた器の組み合わせの妙を日々楽しんでいます。「しみじみきれいだなあ、と感じます。何より安らぐ時間です」と彼女は言います。
骨董と現代の器が織りなす新旧のハーモニー
受け継がれた器と和食の美しさ
ある男性は、和食の美しさを引き立てるために、養母から譲り受けた古い器を使用しています。彼は「7年前に引っ越してきたマンションの大家の姉妹の養子になり、料理上手な“姉”(養母)が私の料理の仕事を知ってから、頻繁に器を譲ってくれるようになりました」と話します。「もらった器はどれも好きですが、自分では選ばなかったかもしれません。しかし、そんな器に和食を盛ると、意外なほど映えるんです。同じ料理も器によって印象が変わりますが、譲り受けた器と自分の料理の組み合わせには、新たな景色が広がります。この出会いが面白いです」と彼は言います。
古きと新しきを融合する美学
彼が譲り受けた器は、ほとんどが江戸時代に作られたもので、染付や九谷焼など華やかな器も多いです。それだけで食卓を構成するとやや重たく感じるため、手持ちの現代作家の無地の器やガラスの器を組み合わせて、バランスを取っています。「自分で買った器もほとんどが益子の高齢の陶工が作ったもので、実母から受け継いだものも多いので、全体的にモダンというよりはクラシックな感じがします」と彼は言います。「友人の実家から譲られた漆器もあり、華やかな洗朱色が食卓に自然に溶け込んでいます。一般的には手入れが面倒と思われがちな漆器も、私はおやつをのせたり、取り皿にしたりしてラフに使うのが好きです」と彼は話します。「クセの強い人の話を聞くのは面白いし、学ぶことがたくさんあります。同じように、器も僕のところに来る縁を大切にし、愛おしく感じています。手に入れたときは戸惑うこともありますが、今では食卓に欠かせない存在になっています」と彼は締めくくります。
器と日常を彩る美学
今回ご紹介した3人の器好きの方々は、それぞれのこだわりと情熱を持って器を集め、その美しさを日常の中で生かしています。手仕事の陶器、カラフルな和食器、千年の古物など、異なる背景を持つ器たちが、料理や生活に彩りを与えています。器の選び方や使い方次第で、普段の食事が特別なものになるのです。私たちも、自分だけの特別な器を見つけ、日々の生活に取り入れることで、心豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
日本の職人技が光る、プロフェッショナル用の食器をご覧ください。
culinarytechglobalでは、プロフェッショナルのニーズを満たすために特別に設計された軽くて丈夫な日本製業務用食器を提供しています。匠の技が詰まった食器を、あなたのレストランに取り入れてみませんか?
料理をさらに引き立てる、厳選された食器で特別な食卓を演出しましょう。
culinarytechglobalは創業以来、業務用食器の品質と革新を追求し続け、世界中のキッチンに最適なソリューションを提供してきました。「信頼と品質で未来への架け橋を」を理念に、読者の皆様に役立つ情報をお届けしています。
私たちの役割は、高品質な業務用食器を通じて、料理の魅力を最大限に引き出すお手伝いをすることです。食器の選び方や使い方など、様々な知識を提供し、皆様の料理が一層引き立つようサポートいたします。
ぜひ、この記事を通じて新しい発見をし、culinarytechglobalの食器が皆様の食卓で役立つことを願っています。