前回の記事では、和洋食器の技法や構造に関する用語について解説しました。今回は、器の材料やその他の専門用語に焦点を当て、その魅力と意義を探っていきます。知識を深めることで、器選びの楽しさがさらに広がり、料理の美しさを引き立てる力になります。一緒に器の世界を深掘りしていきましょう。

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材料に関する用語

材料に関する用語
材料に関する用語

呉須(ごす)

呉須(ごす)
呉須(ごす)

呉須は、染付の絵付けに使われる青色の顔料で、酸化コバルトを含んでいます。この顔料を使った絵柄が特徴の焼物は「呉須手」とも呼ばれます。

磁胎(じたい)

磁胎(じたい)
磁胎(じたい)

磁胎とは、磁器の素地を指します。例えば、1647年に有田の初代柿右衛門が開発した「濁手(にごしで)」は、絵の発色を引き立てる美しい乳白色の磁胎です。

転写紙(てんしゃし)

転写紙(てんしゃし)
転写紙(てんしゃし)

器に絵柄を転写するための紙です。主に量産の和食器や洋食器に使われます。転写紙にデザインを描き、素焼きの素地にのせ、水を使って転写する湿式転写と、熱を使う乾式転写があります。

登り窯(のぼりがま)

登り窯(のぼりがま)
登り窯(のぼりがま)

傾斜面に沿って複数の焼成室を連結して築かれた窯です。下部に薪の焚き口、上部に煙出しがあり、効率よく焼成することができます。作品の配置によって焼き上がりに違いが出るのも特徴です。

釉薬(ゆうやく)

 釉薬(ゆうやく)
釉薬(ゆうやく)

釉薬は、陶磁器の表面を覆うガラス質の層です。高温で焼くことで溶け、焼物に強度を与え、汚れや水分を吸収しにくくします。さまざまな表情を見せるため、装飾としても重要です。「うわぐすり」とも呼ばれます。

焼物の名前に関する用語

焼物の名前に関する用語
焼物の名前に関する用語

粉引(こひき)

粉引(こひき)
粉引(こひき)

粉引は、素地に白い化粧土を施し、透明な釉薬を掛けて焼成する焼物で、温かみのある白色の表情が特徴です。中国磁器の白さに憧れて生まれたこの技法は、李朝時代の焼物に起源を持ちます。

ゴブレット(Goblet)

ゴブレット(Goblet)
ゴブレット(Goblet)

脚付きの大形の杯で、古くから酒用として用いられます。ガラス、陶磁器、金属製など様々な素材で作られ、高級感を演出します。

須恵器(すえき)

須恵器(すえき)
須恵器(すえき)

古墳時代から日本で焼かれた黒灰色の軟質土器のことです。新羅からの渡来人によって作られたとされ、弥生土器とは異なる系統を持ちます。

タンブラー(Tumbler)

タンブラー(Tumbler)
タンブラー(Tumbler)

円筒形のコップの総称で、水やジュース、ビールなど多様な飲料に使えます。シンプルなデザインでありながら、機能的です。

白磁(はくじ)

 白磁(はくじ)
白磁(はくじ)

白磁は、白色の素地に透明な釉薬を施した磁器です。中国の宗代に優れたものが生産され、景徳鎮で量産されました。日本では1616年に有田で初めて焼かれ、1709年にはドイツのマイセンでヨーロッパ初の白磁が誕生しました。

李朝(りちょう)

李朝(りちょう)
李朝(りちょう)

李氏朝鮮(1392〜1910年)やその時代に作られた陶磁器を指します。

輪花(りんか)

輪花(りんか)
輪花(りんか)

皿や鉢の縁に花弁のような装飾を施したものです。輪花皿や輪花鉢として知られ、器に華やかさを加えます。

その他の用語

その他の用語
その他の用語

オープンストック(Open stock)

オープンストック(Open stock)
オープンストック(Open stock)

特に洋食器のディナーセットなどで、欠けたり破損したアイテムを1枚から購入できる仕組みのことです。セット全体を買い直す必要がなく、必要なアイテムだけを補充できるので、とても便利です。

窯疵(かまきず)

窯疵(かまきず)
窯疵(かまきず)

窯の中で焼成中に生じるひび割れや傷のことです。このひび割れや傷が独特の味わいを生むこともあります。

貫入(かんにゅう)

貫入(かんにゅう)
貫入(かんにゅう)

焼成後の冷却時に釉薬と素地の収縮率が異なることで生じるひび割れを指します。茶渋や料理のしみが貫入に入り込み、時間とともに独特の風合いを生み出します。

景色(けしき)

景色(けしき)
景色(けしき)

焼物の表面に現れる釉薬の変化のことです。特に茶道具では、この景色が鑑賞のポイントとなり、器の価値を高めます。

チップ(Chip)

チップ(Chip)
チップ(Chip)

一般的には「小片」を意味しますが、焼物では、口縁や高台の縁に生じた小さな欠けを指します。欠けた部分は、漆による金継ぎで修繕することが可能です。

陶胎(とうたい)

陶胎(とうたい)
陶胎(とうたい)

陶器の素地を指します。産地による土の違いや焼成方法によって、手触りや風合いが大きく変わります。

ブルーオニオン(Blue onion)

ブルーオニオン(Blue onion)
ブルーオニオン(Blue onion)

ブルーオニオンは、ドイツの磁器ブランド〈マイセン〉を代表する文様で、白地にブルーの絵付けが特徴です。このデザインは、中国の染付技法を取り入れたもので、1739年に誕生しました。「オニオン」という名前は、手本に描かれたザクロが玉ねぎに見えたことから付けられたと言われています。現在では50種類以上のバリエーションが存在しています。

民藝(みんげい)

民藝(みんげい)
民藝(みんげい)

民衆的工藝の略で、美術品ではなく庶民が使う日用品の中に美があるという思想を持っています。柳宗悦や濱田庄司らが提唱し、日本全国の手仕事の日用品を指します。

メーカーマーク(Maker mark)

メーカーマーク(Maker mark)
メーカーマーク(Maker mark)

ブランドのロゴや製造元を示すマークです。アンティーク洋食器では製作年代を特定する手がかりとなります。

轆轤(ろくろ)

轆轤(ろくろ)
轆轤(ろくろ)

成形用の回転する円盤の上に粘土を置き、引き伸ばして成形する器械です。手ろくろ、蹴ろくろ、踏みろくろ、機械ろくろなどがあります。

六古窯(ろっこよう)

六古窯(ろっこよう)
六古窯(ろっこよう)

中世日本で栄えた6つの大窯業地を指します。陶磁器研究家で陶芸家の小山冨士夫が戦後に称した言葉で、瀬戸、常滑、越前、備前、信楽、丹波が含まれます。

器の魅力をさらに引き立てるために

器の魅力をさらに引き立てるために
器の魅力をさらに引き立てるために

和洋食器の世界には、見た目の美しさだけでなく、背後にある言葉や技法にも深い魅力が詰まっています。今回紹介した専門用語を理解することで、器選びや料理のプレゼンテーションが一層豊かになります。これらの知識を活用し、食卓やビジネスに新たな価値を見出していただければ幸いです。器に込められた物語や技術を知ることで、食事がより特別なものになるでしょう。

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culinarytechglobalでは、プロフェッショナルのニーズを満たすために特別に設計された軽くて丈夫な日本製業務用食器を提供しています。匠の技が詰まった食器を、あなたのレストランに取り入れてみませんか?

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篠宮恵美
About me
株式会社ウェルリッチ 代表取締役:志渡澤 和樹

culinarytechglobalは創業以来、業務用食器の品質と革新を追求し続け、世界中のキッチンに最適なソリューションを提供してきました。「信頼と品質で未来への架け橋を」を理念に、読者の皆様に役立つ情報をお届けしています。


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ぜひ、この記事を通じて新しい発見をし、culinarytechglobalの食器が皆様の食卓で役立つことを願っています。